OODA(ウーダ)

OODAとは

OODA(ウーダ)とは、意思決定に関する考え方のことであり、Observe(観察)・Orient(状況判断)・Decide(意志決定)・Act(実行)の頭文字を取った造語です。このステップを繰り返すことがOODAループです。OODAループの特徴は、それぞれの観察・状況判断・決定・実行を素早く何度も行う、という点にあります。何が起こるのか予測を立てることが困難な時代、いわゆるVUCA時代においては、目まぐるしく変わる状況を的確に把握・判断して柔軟な対応をすることが重要です。

OODAループとPDCAサイクルの違い

PDCAサイクルとは、生産性や品質向上を目指してPlan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Act(改善)というプロセスを回していくものです。PDCAサイクルは、工場の生産ラインや品質管理等の事前に計画を立てやすいプロジェクトにおいて有効です。対してOODAループは新規性の高いプロジェクトや不確実性の高いプロジェクト等の見通しを立てることが難しいプロジェクトで有効です。

OODAループのプロセス

OODAループを構成するプロセスについてひとつずつ解説します。

 

  1. Observe(観察)
    現代のビジネスでは、急激な変化や突発的な問題が発生することは珍しくありません。そのような中で状況を早く的確に把握するために、製品や市場、環境を観察して情報収集をすることが重要です。また、収集する情報は一次データ(生のデータ)であることが望ましいです。
  2. Orient(状況判断)
    このステップでは、今までの経験だけでなく、観察することによって得られた情報や気づいた変化等から統合的に状況を分析し、判断を行います。状況判断の結果によって意思決定が左右され、以降の行動にも影響するため、このステップはOODAループにおいて最も重要であるとされています。
  3. Decide(意志決定)
    このステップでは、実行に向けて、どのようなことをすべきか決定します。その際にはまず、「何をしたいか・どうなりたいか」を確認し、それに向けて考えられる選択肢をなるべく多く出すことが重要です。そして、選択肢の中から最も有効だと思われるものを状況判断の結果に照らし合わせて選択します。
  4. Act(実行)
    このステップでは、意思決定により下された決定に基づいて行動を実践します。ただし、一度実行して終わりにするのではなく、「実行した結果を確認し、状況判断を行う」というように、再度OODAを繰り返すことが重要です。

OODAループの導入方法

社会の変化が激しく、予測を立てることが困難な時代においては、OODAループは非常に有用ですが、
導入の際にはいくつか注意すべきポイントがあります。特に注意すべきポイントは、明確なビジョンを打ち出し、ビジョンをステークホルダーへ共有することです。ビジョンをきちんと理解した上で、達成に向けてどのように観察・状況判断・意思決定・実行の各プロセスを対応させていくか意識することが重要です。また、OODAループの計画を立てる際には、事前に社内で対話ができる環境を作り、積極的に対話を行うことも重要です。ビジョンやプロジェクトの目標について対話を行い、お互いに腹落ちすることでスムーズにOODAループに取り掛かることができます。

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