VUCA(ブーカ)

VUCAとは

VUCA(ブーカ)とは、Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)それぞれの頭文字を取った造語のことであり、もともとは冷戦終結後の複雑化した国際情勢を表す軍事用語として使用され始めた言葉です。しかし、2010年代に入り、変化が激しい世界情勢のことを表す単語としてビジネスの場でも用いられるようになりました。

VUCAの構成要素

ここからはVUCAを構成する要素をひとつずつ解説していきます。

 

  1. Volatility(変動性)
    Volatility(変動性)とは、「将来における物事の在り方が大きく変化すること」を指しています。
    世の中が大きく変わった例として、蒸気機関による産業革命やインターネットの登場による情報革命が当てはまります。パソコンやスマートフォンの所有は既に当たり前となり、それに伴って個人の価値観や社会の仕組み等、様々なものが大きく変わっています。
  2. Uncertainty(不確実性)
    Uncertainty(不確実性)とは、「不確実な事象が多く、将来の見通しを立てるのが難しいこと」を指しています。気候変動による異常気象や新型コロナウイルスのような未知の疾病の流行等、これらの問題を事前に完璧に予測することは非常に困難です。このように先を予測することが難しい事象はビジネスの世界にも数多く存在しています。例えば、今までは終身雇用かつ年功序列が普通で当たり前のことだと考えられていましたが、現在は成果主義を導入したり、副業を推進したりする企業が増えています。
  3. Complexity(複雑性)
    Complexity(複雑性)とは、「様々な要因が複雑に絡み合い、問題の解決が困難なこと」を指しています。経済がグローバル化したことによってビジネスは拡大していますが、それに伴い複雑さも増しています。国や地域が違えば常識や法律、習慣等も異なり、それらの要因が複雑に絡み合っているため、ある国では成功したビジネスが他国でそのまま通用するとは限りません。
  4. Ambiguity(曖昧性)
    Ambiguity(曖昧性)とは、「ある問題に対する絶対的な答えがないこと」を指しています。現代のように、人々の価値観やライフスタイルが昔と比べて大きく変わっているような時代では、今まで正解だと思われていたことや有効だと思われていたことが通用しなくなってきています。ビジネスの世界でも、過去の成功体験が通用しないことは往々にしてあります。例えば、商品の販促として広告を打ち出す場合、TVCM等が活用されていましたが、現代ではTVを見なくなっている人も増えており、今まで通りの広告の出し方が必ずしも有効とは言えなくなってきています。

VUCA時代に求められる要素

VUCA時代に求められる要素をご紹介します。

 

  1. 課題発見力
    これまでは提示されている課題を上手く、迅速に解決することが求められていました。しかし、テクノロジーが今後ますます発展すれば、課題を素早く解決するという作業はAI等にとって代わられるでしょう。また、VUCA時代では、そもそも解決すべき課題が不明瞭な場合があります。そのため、物事の本質を見抜き、適切な課題を発見する力が求められます。
  2. 多様な価値観や状況の変化に対応する柔軟さ
    現代は多様な価値観が溢れており、様々な意見や立場が存在しています。ビジネスを行う上でもこれらの価値観や立場等を尊重して対応していかなければなりません。今までの考えや価値観に固執し、変化に対応することができなかった場合、変化の激しい社会では取り残されてしまいます。そのため、柔軟性を持つことが重要です。
  3. チャレンジ・学習しつづける意欲
    社会が急激な変化を続ける時代では、これまでの常識や価値観、経験が通用しなくなります。そのため、絶えず生まれる新しい価値観や社会の常識等を取り込み、常に新たなことにチャレンジしつづけていく姿勢が求められるはずです。また、社会の変化にいち早く対応するためにも常に様々な方面にアンテナを張って情報収集をしたり、学習をしたりすることによって、世の中がどのように変化しているのか把握することが重要です。また、集めた情報を基に将来の予測を立てることも重要です。ただし、VUCAの時代では予測を立てることは困難であり、予測を立てたとしても必ずしもその通りになるとは限らないので、絶えず予測を更新する必要があります。

VUCA時代に有効なフレームワーク

最後に、VUCA時代に有効なフレームワークをご紹介します。
 
そのフレームワークとは「OODAループ」です。OODAループとは、Observe(観察)、Orient(状況判断)、Decide(決定)、Act(実行)の頭文字を取ったものです。何が起こるのか予測を立てることが困難なVUCA時代においては、目まぐるしく変わる状況を的確に把握・判断し、柔軟な対応をしていくことが重要です。そのため、観察・状況判断を繰り返すOODAループはVUCA時代においてとても有効だと言えます。

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