新経営体制での利益V字回復プランニング

クライアントが抱えていた課題

年間約10,000件近くのプロジェクト型ビジネスをこなす大手エンジニアリング業では、これまで受注拡大により事業成長を遂げてきたが、市場の成熟化とともに成長が鈍化し高コスト体質による利益率低下のスパイラルに陥り始めていた。

これまで何度となく利益回復に向けた検討プロジェクトが社内で立ち上がっては大きな成果が見られずに消えていっており、なかなか有効な打ち手が打てない状況が続いていた。そんな中、株主サイドからの要請を受けて、経営陣を次世代のメンバーに刷新をして大きな変革を生み出す形で勝負に出たのである。

そして新経営体制『全社の利益創出プロジェクト』を立ち上げ、新経営陣主導での全社あげての利益改善に向けた施策検討を行うこととなった。

レイヤーズのアプローチ

利益改善の糸口を掴むために、全社の収益・費用を因数分解し、当社の独自手法による利益インパクト分析を行った。社内でもどこから手を付けるべきかについての議論が錯綜するなかで、科学的なアプローチから改革のプライオリティづけを行うためである。

利益インパクト分析の結果、
 ①高利益率チャネル・タイミングでの受注拡大
 ②外注費コントロールによる原価低減
 ③ホワイトカラー部門のフラット化による生産性向上
 ④ベンチマークによる間接経費削減
を主要テーマとして改革検討チームを立ち上げキックオフした。

①高利益率チャネル・タイミングでの受注拡大については、過去数年の受注実績とマーケットデータを分析し、自社として真に利益源泉となり得る案件ルートの見定めを行った。これまで受注高や受注件数を主眼に営業活動を行っていたが、それでは利益貢献性の低い案件でエンジニア稼働を浪費してしまい、結局何も残らない。受注する案件の質を向上させることが重要な課題であった。

②外注費コントロールでは、現場のエンジニアが個別に抱えていた外注先を棚卸して再評価し、会社として優先的に発注をかけていくべき優良外注先の見極めを行った。内部工数の空きがありながら安易な外注への仕事流出が起こっていたり、品質の低い外注先への発注により結果的に手戻り発生するなど、改善の機会が多くあった領域でもあった。

③④の固定費削減に関連するテーマについては、一部にはビジネスライクなコストダウンや血の通わないリストラなどの必要性を訴える声もあがっていたが、エンジニアリング型ビジネスは「ヒト」が重要な要素となっているため、そのような手法は合致しない。よって自社の強みを残しつつコスト低減を進める余地に絞り込んでの改革を推進していった。

成果と顧客満足

利益V字回復のプランニングを新経営メンバーで何度も本音の議論を重ねながら組み立てていくことで、トップマネジメントが一枚岩となって実行推移できる改革プランが出来上がった。
トップマネジメントがリーダーシップを持って改革推進をやりきっていったことで、当社の利益が大幅に改善していったことは言うまでもない。変革施策の導入は、当然ながら現場から多くの抵抗もあったが、各現場キーマンとトップマネジメントが本音で語りながら、自分事として徹底的に理解・浸透を図ることで、V字回復は実現されていったのである。