食品メーカーにおける販売費(値引き・リベート)の活き金化のPDCAサイクル構築

クライアントが抱えていた課題

大手食品メーカーにおいて、国内市場の縮小化にともない売上高が伸び悩みを見せる中、値引きや販売促進費・リベート等の販売にかかる「販売費」の比率が年々高まってしまう状況に陥っていました。得意先も売り上げが伸びない状況の中、前年の利益を確保するために、サプライヤーからの販促費に依存する構図がより一層強まりつつありました。販売費は、売り上げが伸びている局面では非常に効率的な手段となりますが、売り上げが伸び悩んだ瞬間に、利益にダイレクトに効いてきてしまいます。
そこで当社では、販売費活き金化プロジェクトを発足し、より活きた販売費の活用へ転換し、持続的に利益成長を実現するためのマネジメントサイクル構築の検討をスタートさせました。

レイヤーズのアプローチ

販促費を活き金化するためには、まずは販促費の透明化が必要でした。これまで特定の勘定科目で計上・管理されていた販促費について、単品別・目的別に計上をすべく、科目や計上ルールの変更を行いました。これにより、どの得意先に対し、どんな目的のお金が、どの程度かかっているのかが一目瞭然化することにつながりました。プロジェクトでは、この販促費一覧を「販売費マップ」と命名し、持続的に運用することとしました。
 
得意先別・単品別の販促費実態の見える化が実現すると、次に課題がある得意先に対して、具体的な活き金化の検討作業を行うことに移行していきました。得意先の中から、課題のあるパイロット検討得意先を選定し、そこでの販売費の使用実態の棚卸、その効果性検証および活き金化に向けた組み替えプランニングを行い、実際の商談につなげていくアプローチをとっていきました。
 
当社では、複数業界での販促費関連プロジェクトの経験から、「死に金」が生まれやすい取り引きパターンを複数理解しており、そのケースにあてはめて販売費の棚卸を進めていきました。パイロット企業数社の棚卸をしてみると、年間の販売費の約30%は使い方の見直しが可能な「埋蔵金」として抽出されました。
 
抽出された「埋蔵金」は、一部は改善的な使い方見直しを図ったものの、残りは「戦略的な活き金化」として、得意先との更なる深い取り組み関係を構築するための戦略的原資としての使い方見直しを図りました。戦略的原資を元手に、得意先と自社の双方の売上・利益を向上させていくプランを描き、得意先に提案、協働実行していく流れを構築していきました。
 
また、一連の検討プロセスは、当社の中で活動モデル化を図り、毎期ごとに営業担当者が行うPDCAサイクルとして定着化を図っていきました。販売費を有効に使い、利益向上につながる適切な売り上げを作っていくという、いわば商売サイクルそのものとも言えます。この活動サイクルを全国の営業担当者に定着化を図っていき、当社の営業スタイルそのものの転換を図っていきました。

成果と顧客満足度

当社では、取り組みを行った年度の営業利益を短期で1億円改善することに成功しました。また、活き金化のプロセスをPDCAサイクルとして定着化を図っていったことで、この効果が一時的なものではなく、持続性ある取り組みとして浸透していき、当社にとっての大きな強みと変化していきました。
この取り組みを通じて、商売サイクルの基本をしっかりと抑えた優秀な営業担当者が多く育っていったことも、この取り組みによる効果と言えるでしょう。

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