東証が求める「資本コストと株価を意識した経営」とは
~PBR1倍割れから脱却する5つの処方箋~

PBR(株価純資産倍率)は、株価が1株あたり純資産の何倍かを示し、PBR1倍割れの企業は市場から「株主価値を毀損し、事業を続けるより解散した方がいい上場失格状態」とみなされており、日本の上場企業の約半数が該当します。
東証は2023年4月より「資本コストや株価を意識した経営」として、プライム市場とスタンダード市場の会社に対して、継続的にPBRが1倍を割れている会社には、改善に向けた方針や具体的な取り組み、その進捗状況などを開示することを強く要請しました。この様に東証の約半数を占めると言われる「PBR1倍割れの会社」は待った無しの対応が迫られています。
 
今回は、PBR1倍割れから脱却する処方箋を5回シリーズでご紹介します。

PBR(Price Book-Value Ratio:株価純資産倍率)とは

PBRとは、株価を一株当り純資産で割った比率です。

PBR=株価/一株当り純資産

PBRが、1倍を超えていれば株価が純資産額を上回って高く評価されています。
逆に、1倍を下回れば株価が純資産額より低く評価されているということです。
純資産は帳簿上の解散価値ともいえますから、PBR1倍割れの会社は、株式市場から株価が解散価値より低い状態(解散したほうがよい状態)と評価されているとも言われています。

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