データ戦略

データ戦略とは

データ戦略とは、ビジネス戦略を実現するために、データをどのように管理・活用・提供するかを定める方針(ガイドライン)となるものです。
会社の目標は、最も上位階層に企業理念や経営方針があり、中階層には経営戦略、いわゆる数年単位で設定をする中期経営計画があります。中期経営計画を達成するための具体的な施策として各事業部の事業戦略や業務戦略が設定されます。
データ戦略はこれらのビジネス戦略達成のために策定する必要があります。

 

データ戦略は単にデータを収集・分析するためのものではなく、ビジネス戦略の達成に向けて「何を管理し、どのように意思決定に役立てるか」を明確にする役割を担います。そのため、必要なデータや管理の方向性を定め、データ活用を具体的な業務や施策へと結び付ける基盤となります。データ戦略が存在しない場合、データ活用の目的が曖昧となるだけでなく、より効率的かつ効果的なデータ活用を実現するための検討がなされなくなってしまいます。

データ戦略に必要な要素

では実際にデータ戦略にはどのような内容を盛り込むべきなのでしょうか。「データ戦略の策定」(Marilu Lopez 2025)によると、組織にとって効果的なデータ戦略には下記6つの要素が含まれるべきと定義されています。

 

1.ビジネス戦略との整合性
2.必要なデータ
3.データマネジメント・プログラムを持つ根拠
4.データ原則
5.優先順位付け
6.パートナー

 

まず1点目のビジネス戦略との整合性ですが、データ戦略はビジネス戦略達成のための手段であるため、その達成に寄与する必要があります。整合していないとデータは戦略的価値を発揮せず、単に特定ユーザーによる目先の集計要求に対応するためだけに利用される恐れがあります。

 

2点目は必要なデータの特定です。ビジネス戦略の達成のためには、どのようなデータが必要か、またデータが組織内に存在するかを確認します。データの存在有無によって、新規で収集する必要があるか、コストがどれくらいかかるかを計画することができます。

 

3点目はデータマネジメントを持つ根拠を明確にすることです。なぜデータが必要であるのか、データがビジネス戦略目標の達成にどのように貢献するのかを明確にすることで、組織内の納得感を醸成でき、協力体制を得られやすくなります。

 

4点目のデータの原則とは、組織全体で共有するデータ活用の基本的な考え方や行動原則です。データガバナンスの具体的なルールを定めるものではありませんが、データ戦略に基づく意思決定や運用の指針となります。

 

5点目はデータの優先順位付けです。データ戦略のプロセスを実行するための役割や組織のリソース、重点的に取り組む分野・領域について優先順位付けを行う必要があります。優先順位を定めていない場合、リソースが分散して成果が得られにくくなるだけでなく、施策間の優先度や判断基準が曖昧となり、組織の意思決定に時間を要する恐れがあります。

 

最後6点目のパートナーとは、企業内の部署、チームの役割・連携方法を定めることです。ある特定の部署だけでなく、組織全体として実行することが重要です。

持続可能なデータ戦略を実現するには

データ戦略は、一度策定すれば終わりではなく、ビジネス環境や組織の変化に応じて継続的に見直すことが重要です。見直しの要因としては、ビジネス戦略の変更に加え、既存システムの課題や制約、新たなデータ活用ニーズなどが挙げられます。

 

また、データ戦略はデータだけを対象とするものではありません。ビジネス・システム・データは相互に影響し合うため、これらを一体で捉え、整合するように運用する必要があります。
例えば、ビジネス戦略で定義されたKPIや分析要件を実現するには、業務システム上で必要なデータ項目やコード体系、マスタ定義、入力ルールなどを適切に整備することが不可欠です。これらが不十分な場合、必要なデータを収集できなかったり、部門ごとに異なる基準で管理されたりすることで、正確な集計や分析が困難となり、データ活用が個別最適に留まる恐れがあります。
一方で、ビジネス環境の変化に伴い、新たなデータの収集や分析が求められれば、業務システムやデータ管理方法の見直しが必要になることもあります。

 

したがって、持続可能なデータ戦略を実現するためには、ビジネス・システム・データを継続的に見直しながら整合性を維持し、部分最適ではなく全体最適の視点で統合的にマネジメントしていくことが重要です。

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