メダリオンアーキテクチャ
メダリオンアーキテクチャとは
メダリオンアーキテクチャは、経営判断に必要なデータを信頼できる形で届けるためのデータ基盤の考え方です。生データをそのまま蓄積する層、品質を整える層、分析やレポートに活用する層に分けて管理することで、データの透明性と再利用性を高めます。誰もが同じ数字を見て議論できる環境づくりを支える仕組みとして注目されています。
従来のデータアーキテクチャとの違い
従来のデータウェアハウス中心のアーキテクチャ
従来は、データを事前に整形・加工してから蓄積するデータウェアハウス(以下DWH)が主流でした。
あらかじめ定義されたスキーマに従って管理されるため、データの整合性や品質が担保されやすく、定型レポートやBI分析に適しています。
一方で、データ活用の前段階で設計や加工を厳密に行う必要があるため、新たな分析ニーズやデータ形式の変化への対応には時間とコストがかかります。また、構造化データを前提とした設計であることから、ログや画像などの非構造データの活用には制約があり、柔軟性の面で課題を抱えています。
データレイクの登場
その後、DWHの課題を背景に登場したのがデータレイクです。
データレイクは、構造化・非構造化を問わず、あらゆるデータを加工せずそのまま蓄積できる基盤であり、「スキーマオンリード」の考え方を採用する点が特徴です。これにより、事前に厳密な設計を行わずともデータを迅速に取り込み、多様な分析ニーズに柔軟に対応できるようになりました。
一方で、データの品質管理や定義の統一が不十分なまま蓄積が進むと、必要なデータを見つけられない、信頼性が担保できないといった問題が生じ、「データスワンプ(沼)」と呼ばれる状態に陥るリスクがあり、柔軟性と引き換えにガバナンスの難しさが課題となりました。
メダリオンアーキテクチャの登場
そして、DWHの”高い統制”とデータレイクの”高い柔軟性”を両立するために登場したのがメダリオンアーキテクチャです。
データレイクではスキーマオンリードにより柔軟なデータ活用が可能になった一方で、データ品質や管理の難しさが課題となりました。これに対しメダリオンアーキテクチャでは、データを段階的に整理・精緻化することで、柔軟性を維持しつつ品質とガバナンスを確保することができるようになりました。
このアプローチにより、従来のDWHのように事前設計に依存しすぎることなく、またデータレイクのように無秩序な蓄積に陥ることも防ぎ、現代の多様なデータ活用ニーズに対応可能な基盤を実現します。

各レイヤーの概要(Bronze/Silver/Gold)
- Bronze(ブロンズ層)
ソースシステムにある生データを”そのまま”取り込むレイヤーです。”そのまま”に加えて、データ作成日時やデータ更新日時などを付加することがあります。
- Silver(シルバー層)
データのクレンジング・統合を行うレイヤーです。緻密な正規化は行わず最小限のクレンジングに限定されます。 また、一般的にBronzeから最新のデータのみを取り込みます。過去の履歴も必要な場合にはBronzeとほぼ同じとなります。
- Gold(ゴールド層)
実業務での利用に最適化された最終レイヤーです。特定の目的(特定のレポート等)のために必要データのみを保持します。つまり、「何を見たいか」「どう分析したいか」をこのGoldに定義をします。”レポート等に使うかわからないがとりあえず保持する”ということは原則しませんが、汎用性を優先する場合にはそれに限りません。

当社支援事例(データブリックスを活用した全社データ基盤構築/AI活用)
当社では、メダリオンアーキテクチャの考え方をベースとしたデータ基盤構築の支援実績があります。
基本構想からシステム選定・業務要件定義・システム要件定義・設計・実装・ユーザー展開まで一貫して支援を行いました。データ基盤構築において重要なのは、単にユーザー要件の個別対応だけを実施するのではなく、全社として検討を推進していくことです。何を実現するためのデータ基盤なのか目的を明確化すること、意思決定プロセスがどう改善されるかまで踏み込み必要データを定義すること、組織を超えてユーザー自身がプロジェクトに参画できるよう調整すること、データの鮮度・精度・粒度・量のバランスを要件ごとに適切にとらえること、立ち上げ時は外部リソースを活用しその後の内製化に向けた出口戦略まで検討すること、など成功させるためのポイントがあります。
さらに直近では、Databricksが提供するAI機能である「Genie」のPoC(概念実証)から本番導入までの支援を実施しました。Genie導入により、自然言語でのデータ抽出や分析が可能となり、データ活用のハードルの低減・属人化の解消・分析業務全体の効率化が図られます。






