圧倒的なシェア拡大に向けた得意先への提案力強化
クライアントが抱えていた課題
大手食品メーカーにおいて、今後の成長性が見込まれる新規カテゴリでの事業拡大を狙い、新たな営業活動の在り方を模索していました。
この新規カテゴリは、従来クライアント社が主軸にしていたカテゴリとは異なり、商品の回転もはやく、また消費者のライフスタイルに直結しているために来店客層によって大きく買われ方が異なっていました。
また、後発参入の競合メーカーが徐々に勢力を拡大してきており、プライベート化の波も迫っている中で、商品だけでない大きな差別化ポイントを作りだす必要性に迫られていたのでした。
そこでクライアント社は、盤石なポジショニング構築とシェア拡大に向けて、クライアント社にしかできない付加価値ある提案力を構築すべく、プロジェクトチームを立ち上げて新たな営業スタイル開発を図ることをスタートさせました。
レイヤーズのアプローチ
まず、どのような切り口で営業スタイル開発を行うことがクライアント社にしかできない付加価値を生み出すことになるのか?についてプロジェクトチームで慎重に検討を行いました。
この方向性を見誤ると営業部門全体の方向付けを間違ってしまうからです。
その中で、①ビッグデータ×ベンチマーク、②商圏×顧客特性アプローチ、③利益シミュレーションという3つの特徴ある手法を基軸に、クライアント社流の提案の型を構築することを目的において、具体化検討を進めることとしました。
①ビッグデータ×ベンチマーク
クライアント社が保有し活用しきれていない膨大なデータと、得意先の品揃えや陳列などの現場データを合わせて検証し、得意先担当者が気づいていない隠れた成長機会を抽出して提案するという手法です。
これまで有効活用できていなかったデータを、競争優位性の一つとして用いることで、クライアント社しかやっていない付加価値を生み出すと考えたのです。
②商圏×顧客特性アプローチ
得意先自体の課題解決を視野に入れた手法です。得意先自体がチェーンオペレーションモデルの限界で成長が鈍化している中で、いかに個店の商圏特性に合わせた売り方に変えていくかということが変革テーマになっていました。
サプライヤーであるクライアント社が個店の商圏や購買者特性を踏まえた品揃えや販促提案を行うことで、協働してその変革を推進するパートナーとなっていこうと考えたのです。
③利益シミュレーション
どのような商品構成で、どのような棚レイアウト・販促を実施すると、得意先自体の利益がどう変化するのか、ということを瞬時にシミュレーションし、利益最大化シナリオを協働で発見するという手法です。
これは仮説検証サイクルを回していきながら持続的に成長するための売り方探求を行っていくことで、互いの成長と気づきが創出されると考えたのです。
これらの要素を取り入れた得意先提案を実際の商談の中に組み込んでトライアル提案を行い、効果を検証する形で検討を進めていきました。
成果と顧客満足度
パイロット検討を行った1社ではこれまでになかった提案を評価していただき、協働取り組みパートナーとして認めていただき、大幅にクライアント社の商品を採用していただく結果となりました。
自社としての売上シェアの拡大につながったことは当然ながら、得意先自体の売上利益成長に貢献できたことは言うまでもありません。
また、もう1社のパイロット得意先では、クライアント社から提案した「リピート率起点での品揃え」という考え方に賛同いただき、これまでの商品選定や陳列の考え方を大きく変えていただくきっかけとなった。
圧倒的に突き抜ける提案力を強化することで、商品による差別化だけでなく、営業活動そのものによる差別化によって、クライアント社の優位性を高めることに大きくつながったと言えます。




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