大手専門卸売業におけるマトリクス経営管理

クライアントが抱えていた課題

近年の外部環境変化によるマイナス要因(人口構造の変化、ライフスタイルの変化、同業の寡占化・競争激化)をM&Aによる規模拡大、業務効率化によるコスト削減により対応してきたが、売上の増大に反して利益率の減少に歯止めが利かず抜本的な改革に迫られていた。

レイヤーズのアプローチ

まず中期経営計画で組織構造・営業体制を抜本的に見直すことをうたった。
既存の営業体制は伝統的に地域・商品軸での切り分けとなっていた。東京地域-商品カテゴリAという営業マンの切り分けだ。
これが営業上の足かせであることが顕在化してきた。地域・商品軸での営業体制だと一つの顧客に複数営業マンが商談に行くことになり、個別最適での営業活動しかできていなかった。事実顧客からの評価アンケートでは競合と比較して決して優位に立つものではなく、顧客に対する総合的な提案力の強化が求められた。
また、商品軸であるが故に、儲かる顧客と儲からない顧客の判別が明確でなかった。儲からない顧客にも足しげく通うという状況が起こっていた。見えている損益は商品軸であり、顧客損益には興味がなかった。

これを抜本から変えるべく営業体制を顧客軸に変更し、管理会計制度も大きく見直すこととした。
業種的に(リベート獲得など)商品軸での管理をゼロにすることはできなったため、主軸を顧客、副軸を商品としたマトリクス経営を目指した。営業体制面、支援・フォロー面、管理会計制度はそのマトリクスで設計を行った。

また、基幹システムの老朽化も長年問題となっていたが、組織構造・営業体制の抜本変更にしたがって業務負荷が高まると予想されたため、基幹システムの全面更改にも手をつけた。

成果と顧客満足

組織・営業体制・管理会計制度変更は実現され、基幹システムも稼動した。
マトリクス経営に移行し、営業マンの意識も「顧客損益を如何に向上させるか」に変わった。商品軸フォロー体制も機能した。結果損益にもプラスが生じ、利益率は減少から増加に反転した。