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きわめて早期に実現する 企業を強くする経営管理力向上のポイント

経営管理力が、企業の競争力を高めます。
特にVUCAと言われ経営環境の変化が激しくなる中、その傾向は高まるばかりと言えます。
今回は、そういった背景と、競争力を高めていく経営管理力を早期に実現させていくためのポイントをご紹介します。

経営管理力こそが、企業の競争力

ある調査によると、経営管理レベルの上位10%と下位10%を比較した場合、年間成長力は+25%、営業利益11倍、生産性も+75%と高い業績をあげていることが明らかになっています。
また、将来への投資も犠牲にしておらず、R&D・特許出願も10倍となっています。

【図1】経営管理レベル上位10%と下位10%の比較

【図1】経営管理レベル上位10%と下位10%の比較

では、なぜ経営管理力が競争力に直結するのでしょうか。これには主に、2つの要因が考えられます。
1つめは、予測困難性です。
専門家の予測が当たる確率と、サルが投げるダーツの確率が同程度という有名な話があります。予測する期間が将来の1~2年の場合は専門家に軍配があがるのですが、3年以上になると、当てずっぽう(サルのダーツ)と変わらない確率になってしまうそうです。さらにVUCA時代と呼ばれる昨今、将来予測の難易度は以前よりも増しています。
つまり、将来を予測し、有効な戦略を立案すること自体が大変難しくなっています。

2つめは、差別化戦略の短命化です。
情報・物・人の流通性が高まり、模倣が容易になった現代では有効な差別化戦略を打ち出しても、すぐに競合に模倣され、陳腐化してしまいます。
つまり、予測困難性を乗り越え、有効な戦略を立案できたとしても、十分な収益を得ることが困難になっています。これら2つの要因から、成功を分けるのは間違い・変化にすぐ気づき軌道修正をするスピード、つまり経営管理力こそが重要になっていると言えます。

経営管理力は2軸で測る

それでは、経営管理力は、どのように定義・測定すべきなのでしょうか。
経営管理力は「視力」と「決定力」の2軸で評価します。
「視力」はデータや情報の把握レベルを表します。現状を適切に把握して、変化を捉えていく力です。実際原価の把握やKPIの把握、先行指標の管理などがこれに当たります。
「決定力」は意思決定の質やスピードを表します。リソースの配分といった全社戦略や、グループでの機能戦略、事業戦略における意思決定を評価します。

この2軸で経営管理力の状態を4パターンに分け、目指すべき姿を解説します。

1つめは、視力も決定力も低いパターンで、「運頼み」状態と言えます。
ここに属する企業は、既に低収益か、そうでなくても市場に恵まれているだけで、競争が激化すれば早晩にも危機的状況に陥ってしまいます。

2つめは、視力は低いものの、決定力が高い「ヒト頼み」状態です。
創業者等の土地勘をもった優秀な経営者が、十分な情報が無くとも精度高い意思決定をしているような場合で、ヒト頼みの状態です。
ヒト頼みなので、事業拡大には限界があり、経営管理上の問題が表面化しないため、リスクが高い状態とも言えます。

3つめは、視力は高いが、決定力が低い「見かけ倒し」の状態です。
把握した情報を活用しきれていない状態です。こうした企業は組織設計やオペレーションに課題がある場合が多いです。

4つめは、視力・決定力ともに高い、目指すべき「高経営管力」状態です。
適切な意思決定を全社的に再現性高く行うことが可能で、長期に安定した競争力の発揮が可能です。
しかし、この状態にある企業は少なく、一見出来ているように見えても、拠点単位ではバラつきがあるといった課題を持つ企業も多くあります。
では経営管理力はどのように向上を図るべきでしょうか。

【図2】経営管理力の評価

【図2】経営管理力の評価

まずは視力の向上

経営管理力を高めるには、まず「視力」の向上を図ることが大切です。
スーパーマンのような経営者がいないのであれば、視力を高めることが良い意思決定を行えるための必要条件になります。
まずは視力を向上させ、「見かけ倒し」改め「高解像度」の状態にすることが必要です。
本日は、それを実現するためのポイントを、3つご紹介します。

 

1つめは、センサーを張り巡らせることです。
目標であるKGI(Key Goal Indicator)に対し、KPIを紐づけ、組織の末端までセンサーを張り巡らせることがポイントになります。KPIマネジメントというと基礎的なことではありますが、なんとなく指標を管理しているだけで、しっかりとセンサーとして機能するような管理までできる企業は、決して多くはありません。

 

2つめは、先行情報を捉え、数字以外も捉えることです。
確定した会計データだけではなく、プロセスを遡り、例えば稟議情報や営業の訪問/商談状況などの先行情報を取りに行くことが求められます。

 

3つめは、データを分断したものでなく統合・連携させることです。
良くある経営管理システムは、各拠点/部門に点在するデータを集約・バッチ処理で収集している場合があります。これでは、即座に変化に気が付き、意思決定を行えるようなデータをマネジメント層にまで届けることはできません。各拠点/部門にあるシステム・データを統合・連携させることで、マネジメント層はローデータに近い情報を見ることができ、リアルタイムな意思決定が可能になります。また担当者にとっても結果指標につながる行動指標が見えるため、アクションに繋がります。

 

この際、理想はグループ全体でのERP統合化になります。しかし、それには多くの時間・お金を要します。
そこで、次は視力の向上をどう早期に実現させるかのポイントをご紹介します。

【図3】経営管理力向上に向けた1stステップ

【図3】経営管理力向上に向けた1stステップ

早期実現3つのポイント

1つめは、自社の経営管理力を知ることです。
実は、自社の経営管理力を客観的・適切に評価できている会社は稀です。
理由は、拠点や部門ごとにレベルにバラつきがあること、部門・役職によって必要とする情報が異なることから個々人の経験や立場によって評価が異なってしまうこと、他社比較が困難なため出来ているべき水準のイメージがバラバラであること、などが挙げられます。

早期実現のためには、データの活用者だけでなく、データの発生元とも共通認識を持ち、一丸となって取り組むことが必要になります。そのためには、客観的に自社の経営管理力を評価し、何を改善しなければならないのかを、トップだけでなくミドルマネジメント含めて腹落ちしておくことが重要になります。

2つめは、重点を絞り、データの品質を絞ることです。
経営管理の目的に応じて必要となる情報は異なります。総花的に取り組むのではなく、目的・データの範囲を絞り、段階的に範囲を広げていくことが早期実現には重要になります。
さらに、目的に応じて「データの品質」も絞ることも重要なポイントになります。
活用の目的から考えると、必ずしもこれまでの会計情報、特に財務会計と同レベルの精度(正確性)は必要ないケースが多いです。精度を高めるためには、多くの時間を要することになるため、目的に必要なレベルを見極めることが重要になります。

【図4】重点を絞り、データ品質を絞る

【図4】重点を絞り、データ品質を絞る

3つめは、現行システムを活かすことです。
理想は、ルール・定義を統一化し、ERPを統合することではありますが、時間も費用も要します。そこで、並行して、現行システムから必要情報を収集する経営管理ツールを、クイックに導入することが早期実現には有効です。これによって、ERP刷新を待たずして早期に経営に必要な情報を届けることが可能になります。

経営管理力の向上に向けて

視力が向上した次には、データ/情報を十分に活用できるようにするために、意思決定をより前線に移動させ、それに伴いリスクマネジメントを強化するなど、評価・組織設計等の検討が必要になります。

今回は、まず着手すべき「視力の向上」を中心にご紹介しました。
レイヤーズでは、「視力の向上」に向けた取り組みの第一歩となる、経営管理力をクイックに評価いたします。
課題感を抱えていながらも具体的な活動に結び付けられていない場合等、客観的に経営管理力を評価し、トップとミドル、本社・拠点一体となった活動への推進をご支援いたします。貴社の状況に照らして優先的に何から取り組むべきかをマスタープランとして描くご支援もできますので、是非ご相談いただければと思います。

【図5】経営管理力のクイック調査

【図5】経営管理力のクイック調査

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