アーキテクチャデザイン
アーキテクチャデザインとは
まずアーキテクチャとは、IT分野においてはシステム/アプリケーションの構造を表す際に用いる用語です。インフラ(サーバー、ネットワーク、ストレージ)上で動作する複数のアプリケーションの構成を対象とした「システムアーキテクチャ」と、各アプリケーションの構造を対象とした「アプリケーションアーキテクチャ」をまとめて、アーキテクチャと呼びます。
そして、各企業の企業活動における目的に沿って、適切なアプリケーションの設計や各アプリケーションの配置を実現するプロセスをアーキテクチャデザインと呼びます。
アーキテクチャデザインのポイント
アーキテクチャは企業の目的に応じて様々な設計パターンがありますが、その目的に依らずアーキテクチャデザインにおいて重視すべきポイントが2つあります。
1. あるべき姿の理解
企業の目的に沿ったアーキテクチャ実現のためには、その目的に基づく業務要件を十分に理解し、要件に沿った適切なアーキテクチャ構想を行うことが重要です。
あくまでアーキテクチャデザインはプロセスであり、それ自体が目的化しないよう、あるべき姿・目指すべき姿を明確にした上で、そのゴールに向けたアーキテクチャを設計することが必要です。
2. ビジネス構造の変化への対応
ビジネス周辺環境の変化が激しい現代において、システム稼働後に機能の変更・拡張が必要となる場面は少なくありません。そのため、システムの機能変更や拡張が必要となった際に、迅速に対応できるよう、柔軟性と拡張性を予め意識した設計を行うことが重要です。
具体的には、特定機能をまとめたモジュールごとにシステムを定義しておき、変更・拡張が必要となった際にモジュールごとに開発・テスト・保守を行う等の対応により、特定機能の変更・拡張時の影響を抑えることが可能となります。
アーキテクチャデザインのトレンド
アーキテクチャデザインのトレンドは絶えず変化していますが、特にシステムアーキテクチャの分野においては、各システムを最小限のビジネス領域単位に分離し、それを組み合わせて使用することでビジネス構造の変化に柔軟に対応する仕組みを作るという考えが広まってきています。
そのため、例えば「ERP導入に併せて基幹業務を全て標準化する」という考えに基づいてアーキテクチャを設計するのではなく、ビジネス構造の変化を見越し、機能の柔軟性・拡張性を意識した上で、基幹業務を含めた業務遂行のために必要な機能を考えること、そしてその上で使用すべきシステム・アプリケーションを明確にし、それら個々のシステム・アプリケーションを適切に組み合わせるということが重要になってきています。