東証が求める「資本コストと株価を意識した経営」とは
~PBR1倍割れから脱却する5つの処方箋~

◆この記事の要約

日本企業の約半数がPBR1倍割れとなり、東証はプライム・スタンダード市場のPBR1倍未満企業に対し、有価証券報告書で資本コスト・株価意識経営の改善方針と進捗開示を要請しました。本シリーズでは、5回にわたりPBR1倍割れから脱却する処方箋をご紹介します。

  • PBR1倍割れの背景と市場ギャップ:なぜ多くの企業がPBR1倍を下回りやすいのか、原因となる経営課題と投資家の期待とのズレを理解できます。
  • 資本効率向上の具体的手法:ROE・ROIC経営、利益率改善、バランスシート最適化など、資本効率を高めるための実践的な改善策が学べます。
  • 継続的フォローアップと投資家対話:開示準備からIR活動、東証フォローアップ会議での進捗報告まで、信頼醸成に欠かせない一貫した対話プロセスを把握できます。
PBR(株価純資産倍率)は、株価が1株あたり純資産の何倍かを示し、PBR1倍割れの企業は市場から「株主価値を毀損し、事業を続けるより解散した方がいい上場失格状態」とみなされており、日本の上場企業の約半数が該当します。
東証は2023年4月より「資本コストや株価を意識した経営」として、プライム市場とスタンダード市場の会社に対して、継続的にPBRが1倍を割れている会社には、改善に向けた方針や具体的な取り組み、その進捗状況などを開示することを強く要請しました。この様に東証の約半数を占めると言われる「PBR1倍割れの会社」は待った無しの対応が迫られています。
 
今回は、PBR1倍割れから脱却する処方箋を5回シリーズでご紹介します。

PBR(Price Book-Value Ratio:株価純資産倍率)とは

PBRとは、株価を一株当り純資産で割った比率です。

PBR=株価/一株当り純資産

PBRが、1倍を超えていれば株価が純資産額を上回って高く評価されています。
逆に、1倍を下回れば株価が純資産額より低く評価されているということです。
純資産は帳簿上の解散価値ともいえますから、PBR1倍割れの会社は、株式市場から株価が解散価値より低い状態(解散したほうがよい状態)と評価されているとも言われています。

ソリューションに関するオンライン相談ソリューションに関するオンライン相談 最新情報をお届け!メルマガ登録最新情報をお届け!メルマガ登録

お仕事のご相談や、ご不明な点など、お気軽にお問い合わせください。
セミナー開催予定など最新ニュースをご希望の方はメルマガ登録をお願いいたします。