経理部門のあるべき姿を再定義
~経理部門変革は待ったなし!~

2030年の貴社の経理部門がどうなっているか想像してみてください。
今と同じ経理業務を今と同じメンバーで行っていることは、もはや想像できないのではないでしょうか。
 
今、多くの企業の経理部門では、システム化やシェアードサービスセンター(SSC)の構築、BPOなどの経理業務効率化に取り組んでいます。
ただ、その先は?というと、具体的に取り組みを行っている企業はあまり多くないのが現状です。
効率化により余力を生んで、その先に何をするのか、経理部門はどうなっているべきか、そこに取り組まずに、果たして明るい未来が待っているでしょうか。
 
今回は、10年先をみた経理部門改革の要諦をご紹介します。

今のままの経理部門業務はAIに代替される!?

日本の労働人口の49%が就いている仕事は人工知能(AI)やロボット等で代替可能と予測※された2030年まであと7年を切りました。
ホワイトカラーの中では財務、会計、経理を担う会計事務従事者は代替されやすい仕事の筆頭になっています。
公認会計士や税理士といった専門的で高度な業務でさえ代替可能性は高いとされていることからも、今の経理業務を突きつめ、高めていくことが生き残りの道とは言えません。
※野村総合研究所がオックスフォード大学のマイケル A. オズボーン教授らと行った共同研究(2015年)

多くの企業において、

  • フロントシステムから会計システムまでシームレスにつながり自動仕訳で記帳
  • 取引先からプラットフォーム上で送付された請求データを発注データと自動照合して仕訳計上、支払データ作成
  • AI-OCRで読み込んだ帳票から仕訳データを自動生成
  • 経費精算者がアップデートした証票書類をシステムがデータ化し、現場部門の上長が承認すれば自動で仕訳計上、精算データ作成

といった、経理部門の手を極力介さない形での電子化・システム化による効率化は既に進んでいます。

さらにAIによって、入出金データやクレジットカードの使用履歴データから自動仕訳を生成するなどという記帳の自動化だけでなく、各種帳票・レポートの自動生成や、決算チェック、決算説明文の自動生成、不正チェックということまでできるようになってきています。
これまでの経理部門の仕事がほとんど代替される未来が、もう間近に迫っています。

減少していく労働人口、経理部門変革は待ったなし

一方で、2030年問題では日本の少子高齢化・人口減少がさらに進行して2030年ごろに様々な社会問題が表出すると言われています。
2030年には、15歳~64歳の生産年齢人口は今から1割弱減っていくと予想されています。

コロナにより、推計より11年早く出生率が80万人割れしたというニュース※が示す通り、今後、労働人口の減少はますます加速していくでしょう。
※日本経済新聞2023年3月1日

2030年には貴重な労働人口を、AIやロボットで代替可能な仕事に充てておくわけにはいかなくなるのです。
しかし、今の経理部門の役割を明日いきなり変えるなんてことはできるわけがありません。
間近に迫った避けがたい未来を、手をこまねいて待っているか、先を見越して自ら変革していくか、どちらの道をとるべきかはもはや自明です。
もう、今の瞬間から、経理部門の変革は待ったなしなのです。

【図1】労働人口は2030年までに約1割減

経理部門はどう変革していくべきか

では、変革といってもどう変わっていくべきなのでしょうか。
目指すべき姿の1つとして、「FP&A」がキーワードになると考えます。
FP&AとはFinancial Planning & Analysis(ファイナンシャルプランニング&アナリシス)の略で、その主な役割は、財務や会計の知識をもとに、分析、予測、計画、報告等の業務を通じて、経営や事業の意思決定プロセスに貢献することです。

VUCA時代と言われる今、企業経営に必要なのは、精緻な計画を立てたり実績を正確に集計したりすることではなく、起きた事象を素早く分析して、意思決定に役立つ情報を的確に提供し、必要なアドバイスができるような会計参謀(ビジネスパートナー)としての役割ではないでしょうか。

CFOはCEOにとってのビジネスパートナーとなるべきで、各事業部門(または職能部門)にも、部門長を支えるビジネスパートナーが必要となります。
現場部門のビジネスパートナーは、部門長をトップとする縦のラインと、CFOをトップとした組織横断の横のライン、両方の指揮命令系統・レポートラインに位置付けるマトリクス型での構えが必要となります。
こういうと、それは経理部門の仕事ではなく、経営企画や事業企画部門の仕事ではないかと思われるかもしれませんが、もはや経理部門の中だけで変革していくということではないのです。
これまでの業務分掌や組織の概念を取っ払って、あるべき姿を定義し変革していく、そのためにいち早く手を打てる企業こそがVUCA時代を生き残る企業といえると思います。

【図2】BPとしてFP&A人財を配置したマトリクス型の構え

今の経理部門や所属する人財を念頭にしたときに、具体的にどのように変革していくべきでしょうか。詳細についてはぜひお問い合せください。
皆様と一緒に、変化の激しい今の時代を乗り切り、より成長していくための変革を起こしていきたいと思います。

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