戦略業務に注力できる環境の作り方
~中核人財の担当実務のBPO~

数年前であれば、オペレーション業務からの脱却が必要だと言うと、なるほどといった反応が返ってきたものですが、最近はお客様自身がオペレーション業務からの脱却を目指されているケースも多くなりました。
オペレーション業務から脱却して何をやるのかはお客様によって異なりますが、今回は戦略業務へのシフトをより早く確実に実施する目的で、BPOを活用する方法についてご紹介します。

6割の企業が、データ分析に基づいた経営判断を行えていない

昨今、DX化等により社会・企業活動から生まれる情報が爆発的に増大している中で、データ活用の重要性が叫ばれています。
しかしその潮流に反し、2020年の総務省のレポートでは「データ分析に基づいた経営判断を実施できている」と回答した企業は39.8%にとどまりました。

【図1】(出典)総務省(2020)「デジタルデータの経済的価値の計測と活用の現状に関する調査研究」より作成

この調査結果は、多くの企業において日々の企業活動で蓄積されている情報が活用されることなくダークデータとして眠ってしまっていることを意味しますが、我々のコンサルティング事例でも、経営判断に資する情報が必要だという課題に対して調査した結果、実は社内に既に存在していたことが判明した例があります。
おそらく多くの企業において、システムに眠っている経営管理情報を適切に分析・活用することができれば、実は注力すべきだったにもかかわらず十分な人員や資金を配分できていなかった事業や製品が明らかになったり、事業成長に直結するような示唆が生まれたりし、競争力を上げられる可能性があると考えられます。

では多くの企業で未だに社内に潜在している情報を活用できていないのはなぜなのでしょうか。
システムの老朽化や専門人財の不足等、阻害要因は複数考えられますが、多くの企業に共通する課題として挙げられるのが、本社管理部門の社員が日々のオペレーション業務に忙殺されてしまっていることです。
例えば経理部社員は、取引先ごとの締めに合わせて請求書や領収書のチェック・支払、月初になれば、昔よりは短くなったとはいえ、夜遅くまで残業して月次処理や四半期決算を行っており、戦略業務を行う余力がないというのが実情のようです。
しかしながら、経理部門がこのように処理に終始するのではなく、商品やサービスの売価設定や原価低減、継続可否判断に関与するほうが、企業の営業利益率を上げられる可能性が高いと言われています。
オペレーションから脱却すれば(それ以外の課題の解決が必要となる企業もあるにせよ)、企業の中に散在しているデータを使って必要な分析を行ったり経営課題の発見や解決を提言したりすることで、企業の業績そのものを良くしていく「攻めの経理」に取り組んでいくことができるのです。

より早く戦略業務にシフトするには

オペレーションから脱却するのに年単位の時間をかけて業務改革や自動化に取り組む方法もありますが、
大規模なシステム導入になるほどシステムの導入が目的化してしまいシステムが入っただけでは効率化効果が得られなかったという失敗事例もよく耳にします。
システム導入で成果を得るポイントはまた別の機会に論じさせていただくとして、より早く確実にオペレーションを減らす手段としてBPOを活用した場合の取り組み方をご紹介します。

  1. 戦略業務以外は専門業務も含めBPO化し、担当者が攻めの業務に専念する体制を早めに作る。
  2. BPO化した業務はBPO側での業務改革によって徹底的な効率化を行う。(BPO側で標準化・効率化が進むことで業務量削減し、さらに業務品質も安定し社員の手離れが良くなる。)
  3. 課題のある商品・サービス・事業・子会社について、担当者自らデータ分析を行い企画部門やトップマネジメントに提言する。
  4. データ分析や提言活動が定着してきたら、データ活用の基盤となるシステムを構築し効率的・効果的に攻めの業務が実行できるようにする。

【図2】BPOによる戦略業務への取り組み体制構築

この取り組みで最も重要なことは、③の戦略業務の実施です。
実際にやってみることで、どのようなやり方がよいか、また必要なデータやスキルが具現化され、その解決に向けて前進することができます。
より早く中核人財の手を空け、実際に戦略業務への取り組みを始められるという意味で、BPOによる余力創出は他の手段よりもメリットがあると考えられます。

専門業務を含めたBPO

上述の通り、中核となる人財の手を早く空けるためには、中核人財が実施している専門的な業務を含めてBPOする必要があります。
Horizon One(レイヤーズがベルシステム24ホールディングスと設立した間接業務BPOのジョイントベンチャー)では、この「中核人財の手を空けたい」というニーズに応えるため、事業会社の経理・人事経験者や、税理士・社労士が専門領域も含めて業務を実施しております。
経理部門・人事部門の業務全体を受託することもできるため、人財の採用難や高齢化の課題を抱えている中規模以下の企業の業務継続性の確保を支援することも可能です。
法制度改正や会計基準変更、あるいは老朽化した会計・人事システムの更改、DX化まで、お客様の管理部門として推進していきます。ご興味のある方は是非弊社までお問い合わせください。

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この記事の執筆者

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