経理財務部門改革

経理財務部門改革とは、経理財務部門の高度化・効率化を目指し、グループ会計基準の整備、グループ財務戦略・税務戦略の最適化、グループ経理組織の見直し、経理プロセスの革新などを行うことです。

経営のグループ化・グローバル化の進展、IFRS導入・新収益認識基準対応、ビジネス環境のデジタル化など、経理財務部門を取り巻く環境が大きく変化してきている今日においては、グループ会計システム再構築を含む新たな経理財務部門改革の推進・実現が求められています。特に、専門家集団としてグループ経理財務組織を再編し、専門人財を育成していくことは、企業グループにおける重要な取り組みと言えます。

レイヤーズでは、経理財務部門のミッション・役割・あるべき姿の定義、戦略的役割の強化、専門家集団としてのグループ経理体制再編、デジタルテクノロジーを活用した業務プロセス改革などを支援するコンサルティングサービスを提供しています。

戦略的役割が果たせる、あるいは専門性の高い経理財務人財の不足

少子高齢化の社会背景の中で、既に中堅・中小企業では経理財務人財の高齢化と後継者不足が課題になっています。大企業においてはそこまで深刻ではないようですが、オペレーション業務が7割を占め、決算などであれば残業も常習化し、その割にやりがいが低く、優秀な若手の定着率が悪い(社内での異動願い/転職含む)という声もよく聞きます。
 
また、経理・財務を取り巻く時代背景として、会計制度(日本基準やIFRSなど)や税務制度(国内税務、国際税務など)はどんどん複雑になってきています。IFRSにしろ収益認識基準にしろ、現場でのデータの発生から会計基準に合わせることを諦め、経理にデータが集約されてから決算作業の中で会計基準の差を調整しているというケースも多く見受けられます。直近では電子帳簿保存法やインボイス制度が控えていますが、工数的にもスキル的にも対応人員を手当できない、とお悩みの企業も少なくありません。
 
以上のように、専門性の高い人財育成も含め、経理財務部門改革の必要性はますます高まっております。

経理財務部門改革を実現するうえでの重要視点

経理財務部門改革では、経理財務部門の高度化・効率化を目指し、グループ会計基準の整備、グループ財務戦略・税務戦略の最適化、グループ経理組織の見直し、経理プロセスの革新などを推進することが必要です。
 
ここでは、各社によって直面する状況や課題に差はあるものの、経理財務部門改革を実現するうえで特に重要な視点を3つご紹介します。
 
① 経理財務部門のミッションの再定義(誇れるミッションを持つ)
② オペレーション業務の効率化(変革を妨げる現業を手放し、変革“できない理由”をなくす)
③ 専門性を維持向上できる“経理財務人財プール”の生成

経理財務部門のミッションの再定義(誇れるミッションを持つ)

多くの企業で経理財務部門のミッションや部門目標は立てていますが、その成否は大きく分かれているように見受けられます。
上手くいっている経理財務部門では、全社戦略への貢献が自部門のミッションとなっており、他部門からの期待も厚く(便利屋としてではなく)、メンバーが誇りをもって業務を行うことができています。
逆にうまくいっていない経理財務部門では、自部門の成長や効率化を目標に掲げており、他部門との間には高い壁があって関係も悪いということが少なくありません。
経理財務部門のミッションを再定義するうえでは、経営や他部門とよくコミュニケーションを取り、経営や他部門の期待に応えていくことが重要です。

【図1】全社戦略への貢献や他部門の期待に応える部門目標の定義が重要

オペレーション業務の効率化(改革を妨げる現業を手放す)

経理財務部門の場合、改革目標を掲げ進めようとしているのになかなか進まない、あるいは、進めていたが(3月決算の場合)4月に入ると8月になるまでストップしてしまい、8月に動き出しても11月にはまたストップしてしまう、というケースが散見されます。
以前からこの傾向はありましたが、人員不足や会計制度や税務制度の複雑化、さらには働き方改革の残業規制などで、さらに拍車がかかっているように見受けられます。
「忙しく」、「失敗できない」、「重要な」現業を抱えながら、何かを変えるという負荷の高い仕事を実現するのが困難なのは当たり前です。したがって、改革を担うメンバーだけでもオペレーションから解放することは、改革を実現するうえで絶対条件だと言えます。

【図2】オペレーション業務の負荷は“改革できない”言い訳になる

専門性を維持向上できる“経理財務人財プール”の生成

もう一つ重要なことは、経理財務部門として人財を「抱え込める」ようにすることです。
ここでいう「抱え込む」の意味は、経理財務部門に所属させたまま異動させない、という意味ではありません。事業部門の企画担当や事業部門の経理担当、あるいは子会社の経理部門も含め、大きな「経理財務人財プール」を作って、その中で異動もさせながら経験を積ませて専門人財を育てていけるという意味です。
グループCFOが、事業部門内の経理担当や、子会社も含めてCFO機能全体の人事権を持つのが理想です。これが一足飛びに実現しない場合は、今の時代は場所が離れていても法人が違っても、つながる手段はいろいろあります。せめて任意参加型の研修プログラムを提供する、人財DBに登録して定期的に経理財務人財としてのスキル評価を行い、スキル成長のためのアドバイスを行うなど、できることから始めるのも良いのではないでしょうか。

【図3】経理財務人財“プール”で専門性を維持向上する

レイヤーズの経理財務部門改革の構築ステップ

昨今は、喫緊の課題を抱えてご相談いただくケースが多いため、検討の進め方はご要望次第となります。
しかしながら、経理財務部門のミッションの再定義に関しては、これも様々なやり方がありますが、並行して議論を始めることをお勧めしています。
ミッションの再定義を通してメンバーの改革モチベーションも高まり、また、場当たり的ではなく将来につながる解決施策をとることができるためです。

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