コーポレートガバナンス・コード

コーポレートガバナンス・コードとは

コーポレートガバナンス・コードは、上場企業がコーポレートガバナンスを行う上で参照すべき原則と指針であり、金融庁と東京証券取引所によって策定されました。コーポレートガバナンス・コードは、①株主の権利・平等性の確保、②株主以外のステークホルダーとの適切な協働、③適切な情報開示と透明性の確保、④取締役会等の責務、⑤株主との対話、以上5つの基本原則と、それに紐づく原則・補充原則から構成されています。

コーポレートガバナンスとは

そもそもコーポレートガバナンスの意味ですが、「会社が株主をはじめ顧客・従業員・地域社会等の立場を踏まえた上で、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みを意味する」と、コーポレートガバナンス・コードで定義されており、日本語では「企業統治」と訳されます。

伊藤レポートとコーポレートガバナンス・コード

企業の持続的成長と中長期的価値向上を目指すために、伊藤レポート1.0(2014年)では、ROE(自己資本利益率)を8%以上とすることが目標とされ、伊藤レポート2.0(2017年)では、日本企業のPBR(株価純資産倍率)を改善する必要があることを指摘しています。これらの内容を踏まえた上で、コーポレートガバナンス・コードは策定および改訂されています。なお、2014年に閣議決定された、「『日本再興戦略』 改訂2014 -未来への挑戦ー」では、改訂戦略における鍵となる施策の一例として、コーポレートガバナンスの強化が挙げられており、持続的成長に向けた企業の自立的な取り組みを促すためにコーポレートガバナンス・コードを策定することが記載されています。

コーポレートガバナンス・コードの改訂ポイント

コーポレートガバナンス・コードは、企業の持続的成長と中長期的価値向上を図るため、2018年に1回目、2021年に2回目の改訂が行われました。以下が、2021年の改訂での主なポイントになります。

取締役会の機能発揮

プライム市場上場企業は、独立取締役を3分の1以上選任することが求められるようになりました。また、指名委員会・報酬委員会の設置も求められています。なお、指名委員会・報酬委員会について、プライム市場上場企業は、独立社外取締役を委員会の過半数選任することが求められています。また、経営戦略に照らして取締役が備えるべきスキルと、各取締役のスキルとの対応関係の公表や他社での経営経験を有する経営人材を独立社外取締役に選任することが求められています。

企業の中核人材における多様性の確保

多様性の確保においては、管理職における多様性の確保についての考え方と測定可能な自主目標の設定、人材育成方針・社内環境整備方針をその実施状況とあわせて公表するように定められています。

サステナビリティを巡る課題への取り組み

プライム市場上場企業においては、TCFDまたはそれと同等の国際的枠組みに基づく気候変動開示の質と量を充実させることと、サステナビリティについて基本的な方針を策定して自社の取り組みを開示するように求められています。

上記以外の主な課題

上記以外の課題として、プライム上場する「子会社」において、独立社外取締役を過半数選任または利益相反管理のための委員会の設置が定められています。また、プライム市場上場企業は、議決権電子行使プラットフォーム利用と英文開示の促進が求められています。

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